年会長挨拶

 この度、第44回日本毒性学会学術年会の年会長を担当することになりました。私事ですが、2000年代半ばに日本薬学会、日本生化学会、日本衛生学会に加えて本学会に入会し、評議員、理事を経て、2012年には東北大学大学院・永沼章先生が年会長を務められた学術年会との合同開催のアジア毒性学会国際会議(ASIATOX VI、仙台)でSecretary Generalを担当、その後ASIATOXのTreasurer、昨年からCouncilorを歴任し、本学会とアジアの関連学会との橋渡し役を担ってきました。同時に日本毒性学会の学術広報委員会委員長を3期務め、平成28年7月から本学会のASIATOX担当に就任した次第です。一連の経緯から、今回の名誉ある年会長推薦に至ったのではないかと推測しています。
 今回のテーマは「トランスボーダー:学問領域の枠を超えた毒性学」としました。元来、毒性学は農学、基礎および臨床医学、薬学、安全性評価科学等を包括した学際性豊かな社会と密接した異分野融合領域として知られています。それ故、関連研究分野の最新情報や新しい技術等を迅速に取り入れることは、毒性学のさらなる発展にとても重要と存じます。これを受けて、学術年会企画委員として、これまで担当したことのない関連研究分野の先生方を全体の約半数動員して、シンポジウム企画をお願いしました。食と健康に関する市民公開セミナー、生涯教育講習会、特別講演、教育講演、一般講演、ポスターセッションと若手研究者による優秀研究発表等の従前の内容に加えて、異なる学問領域+毒性学で構成されたシンポジウムを設けます。これまで面識のない異分野の研究者との交流を深めることを通じて、毒性学の研究分野が益々発展することを祈念します。
 会期は平成29年7月10日(月)から12日(水)で、場所はパシフィコ横浜の会議センターで開催いたします。光をイメージして建築された本会議センターは、アクセスが良いだけでなく、水と緑、歴史と文化に育まれた環境で、利用者からも常に高い評価を受けており、会議室に隣接するゆとりのあるホワイエをはじめカフェテリアやティールームも併設され、さらに会場近傍にはレストランも多く、心地良い空間が充実しています。
 さて、本学術年会のポスターをご覧になられましたでしょうか?3つの建物はキング(神奈川県庁本庁舎)、クイーン(横浜税関)およびジャック(横浜市開港記念会館)と呼ばれている横浜三塔です。その昔、建物も少なかった時代に横浜港に入港する船の目印として知られていたご当地シンボルを、横浜在住の建築家の旧友にデッサンをお願いしました。レトロ調の感も宜しく、開国に関わるこの地域の三塔が本学術年会のテーマを彷彿させれば幸いです。
 学術年会が終了する夕刻には息抜きも必要ですね。その点、横浜には中華街に加えて情緒豊かな飲食街がたくさんあります。夜の部も楽しい親睦と歓談を期待しています。
 では、2017年の7月に国際都市横浜でお待ちしております。
熊谷 嘉人 
(筑波大学医学医療系 環境生物学分野)
熊谷 嘉人
株式会社丸幸商会 サエラ薬局 CiToxLAB アイセイ薬局 サンドラッグ
AIN GROUP 日本メディカルシステム株式会社 昭衍 Cultex Laboratories ワケングループ
理科研株式会社

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